ダムの役割を解説
日本には約3,000基のダムがあります。観光地になっている巨大ダムから小さなダムまで様々です。
高さ15mを超える堤がダム、と河川法で定義されています。
急峻な谷を流れる川を堰き止めるため、ダムが作られます。掲載CGでも谷間にダムが作られていることが見て取れます。ダムが竣工すると、水が溜まり貯水池(ダム湖・人造湖)ができます。
全てのダムが発電を目的としているわけではありません。
治水と利水のメリット
ダムを建造する目的は大別すると、治水と利水です。
- 治水
- 洪水被害の防止
- 生態系への水不足対策
- 利水
- 水力発電
- 生活用水の確保
- 農業/工業用水の確保
多目的ダム
多目的ダムは、特定多目的ダム法により定められていて、治水と利水の役割を兼ね備えます。
ダムのデメリット
- 村が水没する
- 生態系への影響
- 土砂の堆積(治水効果の低下)
ダムによって水没する地域住民には移転補償がされますが、住みなれた思い出の地が水の中に沈んでしまう精神的負担は補えません。
鮭や鱒など遡上ができなくなります。対処策として、魚動が設備することがありますが一部の小規模なダムのみです。
年月が経つにつれ、川から流れる土砂がダム湖に溜まります。発電は高低差を利用するので影響がないですが、治水(洪水調整)能力は落ちて水害を防ぎにくくなります。
老朽化とダム決壊のリスク
1930年から1970年にかけて建設された世界のダムは、50年から100年の設計寿命と言われています(出所:国連大学 報告書)。老朽化が招く損害で最悪なのが、ダムの決壊です。もし決壊したら、堰き止めていた大量の水が一気に下流を襲い計り知れない被害を及ぼします。
他方、国土交通省で巨大ダム建設を担当した竹村公太郎氏は著書『水力発電が日本を救う』で
ダムのコンクリートには鉄筋がない(中略)何百年経とうが劣化して弱くなることがなく、丈夫さを保ち続ける。
と主張しています。
観光地化による付随メリット
人造湖を観光資源として捉え、集客しているダムがあります。
このページに載せているCGや写真は、神奈川県の宮ヶ瀬湖です。3つの公園が整備され、アクティビティを楽しめるようになっています。
参考書籍
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