東日本大震災と原発事故

2011(平成23)年3月11日(金)、東北地方三陸沖の宮城県牡鹿半島の東南東130km付近で、深さ約24kmを震源とするマグニチュード9.0の巨大地震が発生しました。最大震度は宮城県栗原市で7。

震災による死者15,899人
行方不明2,526人
震災関連死3,767人
出所:朝日新聞 2021/03/11朝刊
震災関連死
地震による倒壊や津波などが直接的なダメージによる死亡ではなく、負傷の悪化や震災後の疲労などが原因で死に至ること

福島第一原子力発電所の概要

福島県双葉郡大熊町にある福島第一原子力発電所(福島第一原発・1Fイチエフ)でも、震度6強の揺れを観測。その数十分後に大津波に襲われます。当時、4〜6号機は定期点検で運転停止中でした。

  1号機 2号機 3号機 4号機 5号機 6号機
電気出力
(万kW)
46.0 78.4 78.4 78.4 78.4 110.0
運転開始 1971年 1974年 1976年 1978年 1978年 1979年
震災直前 運転中 定期点検中

2011年3月11日の時間経過

  ニュース 福島第一原発の事象
14:46 東日本大震災発生  
15:46
〜47
  自動スクラム(制御棒を原子炉に挿入)したことを確認
14:59 岩手県大船渡市で20cmの津波観測  
15:03〜 岩手・宮城・福島に大津波警報  
15:27   津波の第一波が到達(高さ約4m)
15:36   最大の津波が到達(高さ約15m)
15:37
〜42ごろ
  全交流電源が喪失
20:50 福島県が、福島第一原発半径2km圏内に避難指示  
21:23 政府が、福島第一原発から半径3キロ以内の住民に避難指示。3キロから10キロ以内の住民に屋内退避指示。  

電気がなくなり冷却できない

原子力発電は、水を循環させて冷ますことが必須です。しかし、全交流電源が喪失したことにより、放射性物質を外部へ漏らすという最悪の事態に至りました。

放射性物質は、放射線を放ちます。人への影響は実効線量が考慮され、Svシーベルトという単位です。

「天然に存在する放射線源からの年間被曝の世界平均は、委員会の最新の推定値では2.4 mSvミリシーベルト」と国連科学委員会UNSCEAR による2013年の報告書にあります。

年間100mSvを超えると健康被害につながる可能性が高まります。

放射性物質で住めなくなった

放射性物質が原子炉の外へ拡散されたことにより、国は避難指示を発令しました。年間の放射線量が50mSvを超え、国が原則立ち入りを禁止したエリアを帰還困難区域といいます。

年々、帰還困難区域のエリアが減っていますが、現在も福島県の双葉町や大熊町など福島第一原子力発電所の近くは対象です。

参考サイトと文献

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東日本大震災と原発事故 by 編集部